本記事は、当社に実際に寄せられたM&A・事業承継のご相談をもとに、相談者や企業を特定できないよう、内容の一部を加工・再構成して掲載しています。相談時の課題や検討内容をご紹介するものであり、個別案件の成約や同様の結果を保証するものではありません。
ご相談の背景:固定客と配送網を引き継ぎたい会社
地域の店舗・法人顧客に継続販売し、自社の配送ルートと倉庫を持つ会社からのご相談です。経営者は後継者を探していますが、顧客への納品と従業員の雇用を続けることを重視しています。買い手には、在庫と車両の価額に加え、日々の受注・集荷・納品をどう続けるかを示します。
在庫・ルート・顧客を資料で確かめる
| 確認する点 | 用意する資料 |
|---|---|
| 在庫 | 棚卸し結果、保管場所、回転期間、滞留品、返品条件 |
| 配送採算 | ルート別の売上・粗利・走行距離・作業時間・燃料費 |
| 顧客と仕入先 | 継続期間、販売・仕入条件、価格改定、入出金サイト |
| 現場運営 | 倉庫・車両の契約、責任者、受発注方法、配車・納品手順 |
相談で整理した譲渡条件の確認事項
在庫は帳簿残高だけでなく、実在性と販売可能性を確認します。滞留や返品の扱い、決済時点の棚卸し方法、数量・金額が変動した場合の精算を事前に協議します。
配送網を統合する計画がある場合は、倉庫の移転、納品時間、最低発注条件、現場責任者の役割への影響を確認します。効率化のための変更が、顧客離れや残業増につながらないか、運用面から検討します。
候補先の確認と情報開示
- 匿名概要では、商圏と取扱分野を広めに示し、特徴的な顧客名・配送先・取扱商品を伏せます。
- 秘密保持と開示の同意を整えてから、顧客別・ルート別の資料を共有します。
- 候補先の資金調達、取引先への支払、在庫や人員への対応方針を確認します。
- 承継後の窓口、受発注、請求・支払、配車を、担当者ごとに具体化します。
判断を止める条件と、引き継ぎ後の確認
重要な倉庫契約の継続条件が確認できない、滞留在庫の評価が定まらない、主要顧客への納品条件を維持できない場合は、追加確認に戻ります。引き継ぎ後は欠品・誤配送、納期、返品、顧客の注文推移を確認し、問題を誰に連絡するかを決めておきます。
詳しくは運送・物流M&Aの実務と小売・店舗M&Aの実務をご覧ください。
